平成24年は皆さんにとってどんな1年でしたか。1年を振り返る上でその年の年末に発表される流行語大賞や漢字などを参考にするのではないでしょうか。ちなみに平成24年の流行語は「ワイルドだろぉ?」「手ぶらで帰らせるわけにはいかない」「東京ソラマチ」「iPS細胞」などが選ばれ、漢字では「金」という文字が選ばれました。
 ところで平成24年の漢字の「金」が選ばれた理由をご存じですか。その理由としては、「金環日食」「金星の太陽面通過」「金星食」などの「金」に関する天文現象の当たり年だったこと、そして「ロンドンオリンピックで金メダルを筆頭に日本史上最多の38個のメダル獲得」。「世界一の自立式電波塔東京スカイツリーの開業」「iPS細胞研究でのノーベル賞を受賞」など数多くの「金」字塔が打ち立てられたこと、また「年金資産運用に関連した詐欺事件」「生活保護費の不正受給問題」「東日本大震災の復興予算の使途をめぐる問題」などの「金(かね)」をめぐる問題が表面化したことからでした。
 そのような平成24年でしたが、やはり日本中が盛上がり、感動と元気をもらったロンドンオリンピックが一番の出来事ではないでしょうか。夏の頃、トライ東では毎日のようにあいさつの後で交わされるオリンピックの話題。卓球やバトミントンなどの運動で利用されている方が多いということもあり、「日本選手の活躍」や「競技史上初のメダル」のなどの話題で盛り上がっていたことを思い出します。それと震災後、 日本全体の元気が戻ったようにも感じた時期でした。
 そのように日本中を笑顔にしてくれたロンドンオリンピック。その中で印象的だったことは、日本人の「謙虚さ」を称賛する海外メディアがいくつかあったことです。その理由は、メダルを獲得した時のインタビューで「多くの支え」「みなさんの応援」「感謝」などのコメントを多くの日本人メダリストが発言したからだったように記憶しています。もちろん日本以外の国の選手もそのような発言をしていたと思いますし、メダルを獲得できなかった選手もそのように発言していたとは思います。しかし、自分の頑張りには触れず、そこに関わるすべてのものに支えられたこと、また応援してくれたことによって今まで練習の成果を出しきれたことに感謝する発言は、とても感動をするものでしたし、日本人として誇りにも思いました。またそれと同時に、人は多くの支えによって育てられ生きていけることを改めて感じた瞬間でもありました。
 時に優しく支え、時に厳しく支える存在が誰にも必要です。そして、支えられている自分自身も実は誰かを支えています。人は人を必要とし、また人に必要な存在でありたいものです。そのような思いの中でトライ東は、様々な人と出会い、仲間になり、お互いの存在が様々な影響を与え、それぞれ成長していくことで、自分の価値や自信を感じ、新たな出会いや新たな環境を求めて歩んでいくことをサポートする場でありたいと考えています。また、その流れを止めることなく繰り返し、時には戻って休める場がトライ東でありたいとも考えています。そのように関わらせていただけることを皆様の支えがあるからと実感し、感謝しております。
みなさんにとって平成25年は、多くの出会いがあり黄金に輝く1年であることをお祈りいたします。

宇都宮市青少年活動センター トライ東
所長 桑原 公一
(指定管理者 公益財団法人とちぎYMCA)